前田英明建築研究所の前田です。

2級建築士/管理建築士

建築設計事務所、建設会社、店舗設計事務所、住宅リフォームの営業など、13年に渡って建物の設計・現場管理・現場監督を経験。

建築やリフォームについての知識と技術を磨き上げながら、多種多様な工務店やリフォーム会社とパートナーシップを構築。2011年、満を持して前田英明建築研究所を設立する。

現在は、「リフォームして満足いく住まいを作りたい方」や「安心してリフォーム計画を進めたい方」などを対象にコンサルティングを実施。

お客様にとって理想のリフォームを実現すべく「図面作成」から「工事完了(引き渡し)」までのサポートをワンストップで提供している。

なかでも注力しているのが「お客様の望みを叶える図面作成」と「お客様との相性や予算に応じたリフォーム会社の選定」の2点。

お客様の不安が取り除かれるまで(そして100%納得するまで)徹底的にヒヤリングを行ったうえで、知識と技術と人脈を駆使した多角的なサポートを行っている。

私は、常に最高の結果を目指して取り組むプロとして働き
「こだわりある住空間は人を幸せにする」をモットーに
お客様との理想の実現を目指している。

そしてリフォームにつきものである“制約”の壁を壊しながら、お客様が「前田さんにお願いしてよかった!」と手放しで喜んでもらえる住空間作りに尽力している。
【実績】
2012年A邸マンションリフォーム工事
2014年S邸マンションリフォーム工事
2014年M邸住宅リフォーム工事工事
2015年O邸マンションリフォーム工事工事
2015年I邸マンションリフォーム工事工事
2015年M邸住宅リフォーム工事工事
2016年K邸住宅キッチンリフォーム工事工事
2016年Y邸住宅リフォーム工事工事

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建築設計。

建物の設計図を考えている時、私は全ての事を忘れることができます。
それほど熱中して取り組むことができる何かが建築設計にはあります。

多くの建築家の方と話、

こだわりある住空間は人を幸せにする力がある
この言葉が私をさらに建築設計の世界に引き込んでいく。

しかし、建築設計は私に満足だけを与えるものではない。

その逆で、常に悩みを与えます。

理由は私一人で全て完結するものではないからだ。

また技術的制約(できる工事・できない工事がある)などの壁もあります。
色々な制約がある中、お客様の要望に沿った住空間を作るためには、私の全てを出し切り協力者と共に壁を一つ一つ乗り越えていかなければいけない。
悩みは絶えないが

  • 多くの協力者と共に問題を乗り越えた時の喜び
  • 色々な制約がある中、要望に沿った住空間を作ることができた時の喜び
  • お客様から喜んでもらえた時の喜び

は、私に最高の満足を与え、次の一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。

現在、私はリフォームを計画している方に

  • お客様の要望に適した図面の作成
  • お客様の相性や予算などに適したリフォーム会社の選定

の2つの課題をお客様が手に入れ、安心して工事計画すすめることができるようサポートしています。

現在、私がこのようなことをできるのは、過去に複数の会社で多くの方の指導のもと学んできた経験があるからです。

過去に私がどのようなところで、何を学んできたのか?
このことについてこれからお伝えしていきます。

設計事務所で建築設計のイロハを学ぶ

設計事務所は、図面ばかりを作成しているものと思っていましたが、図面だけでなくかなりの書類も作成しなければいけません。
1998年私が、社会人として第一歩を踏み出す年。最初に建築の設計を学んだのは柳川瀬建築設計事務所。主に住宅や医療施設の設計をしています。

それほど大きい設計事務所ではないため、仕事が担当分野に分けられることはなく色々なことをこなさなければいけません。
その分、多くのことを学ばせて頂きました。

最初は覚えることが多くひたすらメモを取る毎日。
いつ、何をしたのか?

後から調べる時には分かりやすいように1日に行った内容を必ず手帳に記載することと教えられ、過去に手帳を付けたことがない私にとってすごく新鮮な気持ちで手帳を付けていたことを覚えています。

分厚い建築基準法の中で、どこに何が書かれているのか分からないため、書類作成に手間取る
また、図面を書くときは、過去の資料を参考に書く。

先輩がこなすスピードに比べて私は・・・遅い。
経験することによってスピードは一気に増してきました。

しかし、私には悩みがありました。

その悩みというのは、事務所にある過去の設計図や専門書類を見ても理解できない「線」の意味。

設計図というのは線が組み合わさって出来ていきます。当然、意味のない線は1本もありません。

なんとなく分かる線もあれば、分からないのもあります。詳細図関連は分からないほうが多かったです。

そこで私は、所長に相談しました。

線の意味をもっと理解したいです。という私の意見に対し所長は
「現場に出れば分かる」

つまり、線の意味はデスクワークだけでは分からないということ。

納得できたと共に線の意味を学べる環境でない事を知った私は複雑な気持ちでした。

約1ヶ月ほど悩んだあと所長に
「現場にもっと出たいのですが」

と言った僕の意味を感じ取りました。

所長は、建設会社から設計事務所に移った人なので現場監督は「線」の意味を理解する絶好の場ということを知っていました。

「建設会社に入ればたくさん学べる。でもすぐに辞められたら困る」

色々と教えていただいた上に最後は私のワガママを受け入れてくれました。

引き継ぎなどを済ませて当設計事務所を退職し建設会社に入社しました。

思い出深い建築現場時代。多くの人から色々なことを学ぶ

建築現場は、設計図がどのように形になっていくかを知ることができます。

当然、線の意味もいやというほど分かる環境。

しかし、私の仕事は線の意味を理解することではない。

気性荒い職人さん相手に工事をどのように進めるかをまとめる仕事。

設計事務所にはない忙しさと緊張感。現場では「待った」が効かない。

一度、形にしたものが間違っていようものなら、とんでもないことになります。

また、工程も現場監督の人が考える。

工程:工事を進める順番
【例】
木工事⇒内装工事⇒仕上げ工事(塗装・クロスなど)

今日は、どの工種の人を現場に入れて、どの工種の人を逃がすか。明日は、明後日は・・・。

この判断をミスると現場が人と資材で溢れて仕事どころではない。

最初は分からないことが多い上に判断が遅いため、とにかく職人さんから文句を言われました。

設計事務所・建設会社ともに共通していることは、聞く前に自分で考えろ。見て覚えろ。
最初の1年は、すごくきつかったです。

1年が経とうとする頃、新林さんという人が入社。19年現場一筋でやってきたベテランさん。現場監督という辛い仕事を楽しくしてくれた人です。

同じ頃に担当現場で私の上につくことになった統括部長(小松さん)は、後に「建築家とは」を教えてくれた人です。

新林さんはやさしくとても面倒見がいい。

「自分で考えろ。見て覚えろ。」とは言わず、私が聞いたことを笑顔で教えてくれました。
この笑顔に甘えてしまったことは数多くあると思います。

一方、統括部長はきびしい。何度かすごく言い合いになったことがあります。

きびしいが、私はこの人を嫌いにはなれませんでした。情があつい人だったからだ。

私が建設会社に入社して1年と少し過ぎた頃、設計事務所が作成したデザイン重視のこだわりあるマンションの仕事が舞い込んできた。

現場を取り仕切るトップは統括部長。そして現場をまとめるのが新入社員の新林さん。

設計事務所が作成したマンション図面を見て、統括部長に「私をこの現場に入れてください」と伝えると人員の配置は統括部長の一任で決めることができないようで「上と話してみる」と言われました。

結果的にマンション工事に入れることになるのですが、その時、私はお寺の新築工事と住宅のリフォーム工事を担当していました。
お寺の新築工事は3ヶ月で完工。リフォームは1ヶ月半で完工。3ヶ月は、掛け持ちとなりましたが、疲れを感じないほど楽しく充実していました。

マンション工事は完工まで常駐。

こだわりあるマンション工事を最初から最後まで関わることができデザインだけでなく技術的なことを含めて学ぶことが多い時間を過ごすことができました。

マンション工事が終わる頃、新しい現場が入ってきました。6階建て診療所兼住宅の新築工事。

この現場は設計施工。
(設計施工:設計業務と工事を一つの会社が請け負うこと)

私の手が空く頃、統括部長がお客様とプランについての打ち合わせを既に済ませており、後は新築工事をする際に役所に届ける確認申請用の書類と図面を作成。

設計事務所時代を懐かしく思いながら申請書類と図面を作成しました。

着工を迎える頃、統括部長から驚く発言を言われました。

私が、現場を仕切る。

要所々々、統括部長のチェックは入りますが、職人さんとの打ち合わせや段取りはもちろんのこと、建物の水平垂直・墨出し・高さのレベル出しなどは私が行います。

墨出し:壁が立つ位置を床に書く作業
レベル出し:基準地からメモリを読んで高さ(床・窓・天井など)を割り出す作業
これまでの経験から全ての作業を行う自信はありましたが、はじめてであり現場が大きすぎることもあって不安でした。

着工し最初の内は、1日に一業者あるいは2業者が入る程度なので、慌てることなく対応できたのですが、内装工事が入り始めてからが大変。
現場内は人と資材(道具)などでゴチャゴチャ。6階建てなので、上の階にいる職人さんから
「監督さ~~ん」
と呼ばれれば、走って階段を上っていかなければいけません。

頭だけでなく体力も相当使いましたが、先輩方の応援もあり問題なく工事を終わらすことができました。

工事が終わる頃、統括部長から「この会社にいるのは3年までにしろ」と言われました。

現場のことも分かるようになってきたのになぜそのようなことを言われるのか分からず
「どうしてですか?」
という問に統括部長はこう答えました

「現場で学ぶことは、とてもいい事。でも知りすぎは良くない。君は、建築家になりたいのでは?
であれば、現場を知りすぎるのはよくない。現場を知りすぎると「現実的に出来る・出来ない」で判断してしまうようになる。
建築家はお客さんと共に描いた夢物語をいかに現実にしていくかが仕事だ。
しかし、現場を知りすぎると最初から出来るプランしか書かなくなってしまう。
なんのチャレンジ精神も感じられない、なんの面白みもないプランに。
君は、夢物語を現実に変えることがどれだけ大変か知っているか?現場の人間とどれだけやり合うか知っているか?
夢物語を現実に変えるセンスと執念と情熱を持った人間が建築家と言える。建築家になりたいなら、やめ時を考えておきなさい。今がその辞め時だ。」
これまでの統括部長には、なかったすごい迫力で言われました。
統括部長は設計事務所で働いていたことは聞いたことがあります。しかし、ご自身のことを語る人ではなかったので、詳しくは知りませんが、建築家として戦ってきた人なのだろうとこの時はじめて知りました。

6階建ての建物が終わり、3ヶ月ほどして私は建設会社を辞めました。

インパクトが問われる内装設計

内装設計者(デザイナーと言われる人たち)はインパクトを問われ、間取りだけでなく照明計画やカラーコーディネートのセンスも求められる。

内装設計には、住宅・店舗・オフィスといった内容の仕事があります。私が入社した会社では店舗設計を主にこなしていました。

ここでは、現場監督時代の経験は役に経たない。

  • ファサードのデザイン
  • 入口に立った時の店内のイメージ
  • 商品と人の関連性
  • 商品と照明の関連性
  • 動線と商品の関連性
  • サインの位置と照明
  • レジの配置とレジバックのデザイン
  • カラーコーディネート

などなど
どれも、はっきりと言葉で言い表すことができず、感覚で自分に落とし込んでいくしかない。

そして、その感覚を図面の中で数字(寸法)として当てはめていきます。

じっくりと図面ばっかりに集中できればいいのですが、お客様や工事関係者との打ち合わせで時間を取られます。

最初は先輩のデザイナーさんが考えた案を図面にしていくことがメインでしたが、半年過ぎたころからお客様との打ち合わせを任されました。

色鉛筆で壁面を塗った模型を作り、

  • 室内のイメージが自分が考えているものに近いか?
  • 色使いを変えるべきか
塗り直しては組立ての繰り返しといった生活を送っていました。
色々なショップの設計・現場管理を経験することができ内装デザインについて多くを学ばせてもらいました。

その中で私が最も悩んだのは、女性もののショップ。
ピンクをベースにエレガントな内装を求められました。

私の頭の中にはないデザイン。そのため、色々なショップを見て回りました。

プラン内容は、ファサードを電飾看板にして彩る。ホワイトとピンクをベースカラーにした内装で間接照明を使って商品をアピール。

サンメントとシャンデリアを組み合わせてエレガントな雰囲気をだすといったプランを作成。
何度か、変更はありましたがその案が通った時はすごくうれしかったです。

設計する側はお客様の感性(要望)に合せてプランを考えます。
時に、すごく悩むことがあり、お客様の感性が私たち設計サイドにない時です。

そういう時はひたすら足を使って建物を見て回ります。
大変ですが、すごく学ぶことが多い。
そして、考えたプランがお客様を満足させるものであれば本当にうれしいです。

店舗設計の世界に入って約3年が経とうとする時、私は「独立」を意識するようになりました。
しかし、私は営業にも興味がありました。

担当案件が終わる頃、私は設計事務所を辞め営業職の会社に行くことにしました。

営業職でお客様の考えを知る

新規のお客様から設計の仕事をいただく。この業務がどういうものか?私は知りません。

過去に入社した設計事務所や建設会社では、取引先や知り合いの紹介からいただいた仕事がメインだったように思います。

中には、所長さんが営業して、いただいた仕事もあるかもしれませんが、図面作成をメインとしている所員が営業業務を知ることはありません。
営業というものがどういうのか知りたい。この思いから住友不動産会社に入社。
何度もある入社試験に、これが大手なのかと驚きました。

仕事内容はリフォーム案件で、営業だけでなく設計・現場監理も行います。
営業というものを初めて体験する私は最初、緊張しました。しかし人と話すことが好きな私は何の抵抗もなく営業の世界に入る事ができました。

ここで、はじめてリフォームというのがいかに難しいかを知ります。

新築とリフォームの違いは更地に建物を立てる新築に対して、リフォームは現在ある建物内部の間取り変更や設備機器の交換などを行う。

現在ある建物の中での工事であるため制約はたくさんあります。
それだけではなく、解体した時に予期せぬ事態に合うことが多いため、リフォーム知識がなければ対応することはできません。

上司の方・下請け会社の方々のおかげでリフォームに対する知識を得ることができました。

工事に関する知識だけでなく、営業も行うため直接お客様の声を聞くことができます。
ここで、はじめてお客様の声を聞きました。

最も印象的なお客様の声は
「どうして、この会社にリフォームの相談をしたのか?」

という問に対して、ほぼ全ての方から、
「この会社以外にどこに相談したらいいのか分からないから。」
という答えが返ってきたこと。

そして、
「他にも近くに工務店やリフォーム会社がありますよ。」

という私の質問に対して
「初めての会社に相談するのは怖い」
と多くの方が答えました。

建築業界に身を置く私の中にはない言葉
「怖い」

私に言ってることではないと知っていても、お客様が思う建築業界への素直な感想を聞いてショックを受けたことを今でも覚えています。

営業スタイルは大手だからできることであるため、直接実施できることはありませんが、住宅リフォームのことやお客様と直に話すことができた事は非常に学ぶことがありました。

次第に自分の責任で動きたいという思いが強くなり退職しました。

独立し初めて受けた案件の図面が作成できない

2011年に独立。約1年と少し経とうとする時、マンションの間取りを大きく変えるリフォーム工事の案件を得ることができました。

しかし、この案件を得るまでの道のりは、非常にきついものでした。
初めて感じたプレッシャー。

これまで勤めてきた会社でお客様と打ち合わせをし設計図面を作成してきました。

もちろんプレッシャーはすごく感じていましたが、頭の中でプランを描くことができ、頭の中のプランを図面にすることができました。

私は、最初のラフプランを作成する時、製図台に座って手書きで図面を作成します。

ラフプランが固まれば、パソコン(CAD)で図面を作成していきます。

この時も同様に、ある程度頭の中で出来上がってるプランを製図台に座って図面を作成しようとすると全く書けない・・。

その理由は、会社の場合、会社を信頼して来てくれた方々です。
しかし、今回は私を信頼して来てくださった方です。

「私を信頼して来てくれた」という重圧を初めて知り、同時にどう対処すればよいものか分からず不安な日々を送っていました。
製図台から離れると頭の中のプランが出てくる。

しかし、製図台の前に座るとそのプランが消え、描こうと頑張っても出てこない。
納期が迫ることで焦りが出る。焦りが出ると余計にプランが書けない。

ある時、ソファに座ってリラックスし、フリーハンドでラフプランを作成することにしました。

不思議なものでプランニングの世界に入ることができると、すぐに没頭し図面を作成することができました。

建築家の方が似たような体験を話していた記憶がありますが、私には関係のないことと思い聞き流していました。

まさか、自分が同じような事で悩むことになるとは、思ってもいませんでした。

今では、プレッシャーをしっかりと受け止め製図台で図面を作成することができます。

しかし、当時は受け止めることができず非常に大変な思いをしました。

これから先、リフォームで悩んでいる多くの方の役に立ちたい

これから先、私は
【色々な制約がある中、協力者と共に壁を一つ一つ乗り越えてお客様の要望に沿った住空間を作る】
この思いを抱きリフォームで悩んでいる多くの方の役に立ちたいと考えています。

そのためには、リフォームを考えている方が相談しやすいシステム(環境)を作ること。
そして

リフォームを計画を進める中で最も重要な

  • お客様の要望に適した図面
  • お客様の相性や予算などに適したリフォーム会社

この2つをお客様が手に入れることができるシステムをつくること。

私は、お客様の要望に適した図面を作成する時、私の知識・経験・感性など全てを出し切り挑んでいます。
お客様から「このプランでお願いします」と言われた時、本当にうれしいです。

そして、最も重要なリフォーム会社の選定。
工事計画を進める中で「お客様ご自身が考える力をつける」ようサポートするのも私たちの務めです。

一つ一つ悩み(分からない事)をクリアしていき、
「このリフォーム会社に現地調査をお願いしたいです」「このリフォーム会社と工事契約したいです」
とお客様が言った時、ご自身で答えを出すことができた喜びと自信を感じます。
また、お客様がこのようなことを言えるのは、リフォーム会社との信頼関係がしっかりと築けている証拠です。

お客様が

  • ご自身の要望に合った図面
  • ご自身の相性・予算などに合ったリフォーム会社
を手に入れることができた時、私はさらに前に進む自信を得ることができます。
最後までお読みいただきありがとうございます。