リノベーションの概要とプラン
戸建て木造住宅(在来工法) | |
家族構成 | ご主人のご両親・御夫婦・お子様2人の6人家族 |
ご要望 |
|
工事にかかった期間 | 83日 |
リノベーション工事にかかった費用 | 1187万円 |
当住宅のリノベーション計画の流れ
現状の確認
独特な仕切り方について詳しく知るため、資料と返信用の封筒などを送付。
現状の図面がないため、資料と一緒にお送りした方眼紙にクライアント様が手書きで間取りを書いた図面を確認。
図面作成後に見直すと、「本当にこの間取り?」と不安になってしまいました。
クライアント様も望んでいたので、現地に行き寸法取りをさせていただくことにしました。
調整した日程通りクライアント様のご自宅に行きご挨拶した後に上がらせてもらい、間取りの説明や太陽の明かりがあまり入らないため暗い事やクライアント様の要望などを聞きました。
お話をうかがった後、間取りや寸法を確認すると、少し寸法に違いはあるものの、まとめた図面の通り。
プラン作成
今回の工事には、耐震工事も含まれています。
このため、耐震診断をしている施工会社に、耐震壁をバランスよく配置した図面の作成を依頼しプランを固めていきました。
●
まずは、収納スペースや太陽の明かりをどのように取るかについてすごく悩みましたが、キッチンと和室(2室)を繋げて空間の広がりを持たせるなど、大まかにプランをまとめました。
現状では、キッチン(ダイニング)と和室が間仕切り壁で仕切られているため、すべての住空間が暗いイメージになってしまっている。この状況を打開するためには間仕切り壁をなくしてしまうこと。
プライベートを保ちながら明るさを確保するため、色々と間取りを組み合わせ試行錯誤していく中で、トップライトの発想に思いつきました。それも階段部で。
階段をアーティスティックに見せるために出した結論が形状を変えること。直線的な形状をUの字に折れる形状の階段に変える。
リノベーションのプランを考えるとき、解体してみないと分からないことが多く、思うようにプランニングが進まないことがある。
クラアント様に図面の確認
まとめた図面をクライアント様に確認してもらいました。
この時のキッチンの案は、予算を考えてI型(壁に沿って設けるプラン)にしていましたが、オシャレなアイランドタイプを希望。
概算見積の依頼
クライアント様と一緒に考え、練り直したプラン図面や現状の写真・資料などを5社の施工会社に送り、概算見積と施工方法や予算などに対する提案を求めました。
それぞれの施工会社が概算見積書や提案をまとめるにあたって、図面や現状の写真・資料の中で詳しくしりたい事があれば、当サイトにクライアント様への質問内容が集められます。
(重複する質問内容であれば、当サイトから施工会社に返答しています。)
1週間ほどで5社の施工会社から概算見積書が揃いました。
概算見積の金額を確認
見積金額は、約1500~約1550万円。
「・・・1550万」
この数字におもわず絶句してしまいました。というのも、予算1200万円と聞いていたからです。
にしても、350万円はでか過ぎる・・。
概算見積書を見直し、大きく減額できる工事をピックアップし、「間取り変更」「階段部」「キッチン」「浴室」の4つ。
次にクライアント様と施工会社が当サイトを通して、やり取りしていきます。
階段廻りについては、床梁や根太の施工方法については現地調査で検討する方向に決まり、もし施工が難しい場合にはプラン変更になることを了承してもらいました。
●
間取り変更に伴って柱を抜く部分は梁補強で対処することできまりました。
●
施工会社の絞り込み⇒現地調査へ
次のステップは、現地調査。施工会社の社長(担当者)がクライアント様のご自宅に行き、要望など話を聞き「工事できるか」「寸法に食い違いはないか」「耐震壁を図面通りに設置できるか」を現場で直接確認します。
(耐震壁を設けるためには、基礎は必要不可欠。この基礎がない又は、亀裂が入って構造上問題があると判断されれば、基礎を新たに設けたりコンクリート増し打ちして構造を強化していきます)
※通常の現地調査であれば、無料ですが耐震診断を兼ねた現地調査は料金が発生するものと考えてください。料金は、施工会社によって異なります。
ご自身で耐震診断をする業者を探す場合にはGoogleやYahooの検索欄に 【「あなたのお住まいの地域」+「耐震診断」】で検索してみてください。 (例:京都 耐震診断) 各市役所の耐震診断に関する情報を入手することができます。耐震診断は無料で行われていますが、結果報告まで日数がかかるため、前もって申し込むことをおすすめします。 (昭和56年5月31日以前に建築(着工)した木造住宅(在来工法)が対象です。) |
翌日にクライアント様にお話をうかがう約束をしていたため、訪問しお話を聞きました。
結果的に、見積書の金額とその内容により決まります。
クライアント様と直にお話し、350万円の予算オーバーを悲しんでいました。できれば全部、プラン通りに工事を進めたい。
プランを気に入って頂いた事にすごくうれしい反面、辛いです。
現地調査後の正式見積金額の確認
見積金額は約1450万円。
2社の金額の差は、たったの30万円。1450万円の見積金額に対して、両社の差額がたったの30万円しかないことに驚きました。
減額案を固める
ここから先、リノベーションプランを修正していく必要があります。
減額のためのプラン修正は
- 1、優先順位で最も低い工事を外していく
- 2、仕上げのグレードを下げていく
- 3、施工会社の豊富な経験(知識)による減額案
まず区画ごとの工事を考えていくと
1階
- 和室を洋室にLDKをまとめる
- 階段の形状を変え、トップライトを設ける
- WIC(ウォークインクローゼット)
- 造作の浴室・洗面脱衣室
- トイレ
- 玄関収納
- 耐震工事
- 和室を洋室に変える
- トイレを設ける
優先順位として「和室を洋室にLDKをまとめる」「階段の形状を変え、トップライトを設ける」「耐震工事」の3つが残りました。
クライアント様の考えとしては「造作の浴室・洗面脱衣室」も優先順位が高く、このままの計画を希望していましたが、250万円を「グレードを下げる」「工法による減額案」によってカットしていくのは難しいということで、造作をユニットバスに変更。
造作の浴室を諦めたことで奥様がちょっとがっかりしていたように見えました。
そして、アイランドキッチン。
キッチンのプランを含め練り直した後、2社の施工会社と減額案や施工方法について話し合い予算である1200万円内におさまるよう再度、見積書の作成を依頼し結果1187万円の工事金額の見積書を出した工務店に決まりました。
単純に金額差だけでなく、水回り付近の予想される追加工事を上手に1187万円内にまとめたこともあります。
工事を依頼する会社を決める
2社ともすごく良心的に対応していただきましたが、選ばれるのは1社のみ。
これまでにも、断りの電話を変わりにしてきましたが、こればっかりは慣れない・・・。
リノベーション工事の準備と着工
施工会社は、非常に重要な細かい部分の納め方について検討。
(コーナー部や取り合い部など細かい部分の納め方が、いまいちの場合、全体が崩れてしまいます。)
クラアイント様には、仕上げ材料やキッチンなど設備機器について具体的に決めていきます。また、仮住まいの用意をしていただきます。
現物サンプルなどが施工会社から届けられ全て揃ろい、クライアント様ご自身も一通り決定したとのご報告を受けました。
仕上げ材料や設備機器など最終的に決めた後は、着工へと進みます。
着工し工事が始まって3日後に現場を見に行きました。
最初は解体からスタートし骨組みを固めて内装を仕上げていく流れとなります。
この解体の時に、水回り付近(浴室)で湿気によって大引や柱などが傷んでいるため、その部分をカットし補強していく必要があります。
追加工事が発生するとなると当然、費用がかかります。しかし、この工事では追加工事についての金額面について前もって計画していたため、慌てることなく対処することができました。
柱や土台・大引といった構造材は、床や壁を解体しないことには、傷みがどのくらい進行しているのか分かりません。
しかし、経験が豊富な施工会社であれば、解体前の現場調査であっても「追加工事が必要か?」「費用はどのくらいかかるか?」など予想でありますが、見積し対応することができます。
木造住宅でリノベーション(リフォーム)を計画しておられる方は、施工会社の方に見積の段階でキッチンや浴室廻りで追加工事が発生するかを確認しておいてください。
|
竣工⇒引渡し
イメージしたプランが実際に形になり、それを確認する時はいつも感動します。
ただ、引渡しの時はいつも、ちょっと悲しい気持ちになります。
竣工検査では、設備機器がトラブルなく正常に運転するか?壁や天井・床などに傷がないかをチェックし特に問題はなかったので引渡しとなり工事はここで終わりとなります。
これから工事契約へと進まれる方は、しっかりとアフターケアについて施工会社に聞いておいてください)