オフィス移転工事の概要
ご要望 | ・オフィス内には40~50人の従業員が働くため間仕切り(机の配置など動線計画) ・待合室を2室ほしい。一つは天井まで完全に間仕切る ・エントランスでは社名の看板を設置したい |
工事かかった期間 | 約14日 |
オフィス移転工事計画の流れ
3ヶ月後にオフィスの移転工事をしなければいけないので相談にのってほしい。
大きい会社であるため専属でリフォーム会社がいるだろうと思い、相談ならいいですよと返事を返しました。
約束の日になり、話を聞きに行くと要望に対しプランを考えて欲しいと言われびっくり。
3ヶ月後のオフィスの移転に向けてプランを考えるため現地の図面などが必要になってきます。現状の図面を見せてほしいとお願いすると、契約の関係から移転先のオフィスの図面や現地調査は来月まで待たないといけないと管理会社から言われている。
リノベーション・リフォーム見積お役立ち隊のメリットは、自分のペースで納得しながら進めていただくことにあります。
逆のデメリットは、時間がかかることです。
当サイトでは、ご自宅もしくは事務所(店舗など)を直に現地調査をする前に、現状の図面をいただき、その図面をもとにプランニングを進めていきます。 プランができれば、クライアント様の住所や名前を伏せた状態で工務店や建設会社など施工会社に概算見積や、プランに対しての提案をしていただきます。
次にクライアント様が概算見積や提案に対し施工会社に質問したいことがあれば当サイトを通してやり取りをしその結果、現地調査をお願いしたい施工会社を決め具体的に工事できるプランへと固め費用も具体的にしていく流れとなっています。
金額だけでなく施工会社の信頼性や相性などトータル的に判断していただき、工事をお願いしたいと思ったら契約へと進める流れとなっておりクライアント様が自分のペースで納得しながら進めていただくというメリットの反面、プランニングから契約まで長くかかってしまうのが、当サイトのデメリットであります。 |
通常の流れでいくと3ヶ月後の工事完成まで間に合いそうにないため、移転を予定している事務所内部の現地調査に私が行ってもいいかと相談しました。
相手は信頼ある企業さんですし打ち合わせした感触から工事金額を払わないとか悪質なお客さんではないだろうと思っていましたが、初めてやり取りする企業様ですし、いきなりポンと仕事をお願いされたような形で進んでいるのでこの時点でもまだ、事務所移転工事を当サイトが受け持つことになるとは思っていませんでした。
現地調査する前にできることを済ませておこうと思い要望などを聞くことにしました。
が、要望といっても具体的にどのようなオフィスにしたいというのは、だいたいは決まっていましたが、エントランスのファサードはこのようにしたいと一枚の画像を見せていただきました。
そこを掘り下げクライアント様が求める要望以上のものを提供するのが設計する側の力量であり腕の見せどころではありますが、現状の図面がなく現地調査ができない状態なので、とりあえず現地調査ができるまで日と時間をおさえておきました。
事務所移転工事の現地調査
オフィスやイン・ショップの移転(開業)の場合、管理会社との打ち合わせが重要
マンション・オフィスビルや百貨店(ショッピングモール)などには、その建物を管理する会社が必ずあり、事務所やお店を移転したり開業したりする場合、管理会社と話をする必要があります。
管理会社とどのような事を話すのか?
打ち合わせする内容は、上記の4つ。 現状の図面で確認が必要なのは、照明器具やスプリンクラー・非常用照明などの設備機器がどの位置に設置されているかを見る事。
◆作業時間・休日 週末は工事できないというのが基本で、間にお盆やお正月をはさんでいる場合は、その期間は工事できないため工期がその分伸びることになります。
◆運搬用のエレベーターや作業者用通路(養生)
オフィスビルやショッピングモールなどでは作業車用の通路や運搬用のエレベーターを設けられていることがあります。
◆分電盤 (分電盤から工事区画までの配線の引き込みは、内装工事の費用に加算されることになります。)
◆間取りと間仕切り壁の高さ |
現地調査後の図面作成と管理会社への報告
現地調査を済ませた後、クライアント様と話し合った内容をもとに図面を作成していきました。使用する机などが大方決まっていたので間取りを考える際、助かりました。
スピード勝負となるため、その日のうちに平面図だけですが完成させ、次の日にクライアント様に確認していただきました。
間仕切り壁は基本的に天井から60cm下げとしていますが、打ち合わせ室は、天井まで区切りたいということなのでそのように図面に落とし込みました。
分電盤では2つの回路が使用されておらず、活かす方向で決まりました。
図面を仕上げた後は管理会社に確認してもらうため図面と工事内容を文章にした書類を送付。
4日後に間取りとしては問題はないと返答がきました。天井まで間仕切る部屋にはスプリンクラーの増設か移設が必要であるため設備会社に確認してもらいその返事待ち。
(この返事の中には、スプリンクラーの増設(移設)が必要であるかに加えて工事にかかる見積書も含まれています)
スプリンクラーの移設又は増設や分電盤からの配線の引き込み工事は、オフィスビルがかかえている設備会社が行うことになっており、当該内装工事でさわることはできません。 また、工事の順番はスプリンクラーの移設(増設)や配線の引き込み工事が終わってから、当該内装工事の着工という順番になります。 |
施工会社の選定
作成した平面図と展開図+平面詳細と断面詳細・部分詳細などを加えて施工会社に送るための図面を完成させていきます。
7社に図面を送付し1週間程度で全てそろいました、その中で図面を正確に把握しているのは2社だけ。私が設計した中で形が複雑に入り組んでいるところがあり平面詳細図や断面詳細図を加えてもちょっと見ただけでは把握することはできず、じっくりと平面図や展開図・詳細図など組み合わせて見ないと形をしっかりと把握することはできません。
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2社の施工会社に現地調査を依頼
ビルの管理会社立ち会いのもと施工会社と私とクライアント様の3者で現地調査。
施工会社は図面と現地とを見比べて寸法を測ったり現状の壁の素材や下地のある場所・支え柱となる部分の位置を確かめ、2時間ほどで終了。
双方とも、図面通りに工事することができるという結論になり、見積金額も変更なしということに決まりました。
現地調査を行った2社とも会社の信頼性や工事の経験は◎。
結果的に、収納棚の納め方や飛び出した化粧壁の取り付け方法、間接証明の見直しなど的確な提案を頂いた会社に決まりました。家具なども制作している会社ということもあり、細かい部分の納め方には色々と話を聞き勉強になりました。
設備会社からの返答と見積書
管理会社経由で設備会社から書類と見積書が届けられました。
設備工事の費用を7万下げでOKの返事を出しました。
下の図面はSP(スプリンクラー)の検証図です。 薄く円が描かれているのがスプリンクラーが作動した時に水が吹き出る範囲を指しています。この円が重なっていればOK。外れてしまうと移設か増設が必要になります。 ちょっと分かりにくいのですが、○印に赤の矢印で移設と書かれているのは、ほんの少しだけ散水障害となる部分があるからです。大目にみてほしいところですが法律上、それはできないのですね。 ● |
工事の準備と着工
取り合い部の納め方などについて施工会社と細かく打ち合わせし、下地やボードなど工事に必要な資材を発注。
問題は設備工事です。スプリンクラーや自火報機器取り付けなどの工事が済まないと内装工事は着工することはできません。
この設備工事は内装工事を行う工務店さん経由ではなく、管理会社経由であるため設備会社に直接ものを言うことができません。管理会社を通して伝えてもらうことになります。
管理会社から設備工事が行われるという連絡が来たのは、引渡しから逆算して1ヶ月を切った頃です。工事には4日かかるというので、それまで必ず完成させるよう伝え、着工は設備工事が終わった翌日からとしました。
着工⇒引渡し
着工すると工事が進むのは早い。住宅のリフォームやリノベーション工事と違い解体工事がないというのが大きい。
複雑に入り組んだエントランスの壁面も上手く収められており、サインの大きさやデザイン共にクライアント様に気に入ってもらえて良かったです。
オフィス移転工事後の写真
※オフィスの写真は企業様のご意見を尊重しエントランスのみとさせていただきます。